MSR WindBurner® Duo Stove System/MSR ウィンドバーナー デュオ ストーブ システム
今回のコロナにより避難道具といいますか、災害時の備えをさらに強化しようと考え始めました。自分は日本人ということもあり我が家のようなローカル地区の中では非常時の対策は多少はできています。それでもせいぜい、飲料水、生活水、非常食の蓄え程度ですが。。。
この地で暮らすようになってからも洪水による避難、長時間の停電は数知れず、浄水場の事故により3日間水が来ないなどいろいろとありました。
インドに居る時は山中のド田舎でしたのでそんなこと考えても仕方がなかったので考えもしませんでしたが、ここはタイランド・・・バンコクから約30km程度のやや田舎。。。
できる準備はしておきたい。
ほとんどの家は近所のガスのデリバリーに頼っており、7~15kgのガスボンベを使ってると思うんですよね。うちは7kgのガスをだいたい2か月半~3か月くらいで使い切るのですが、コロナの為家で食事することが増え若干使用ペースが上がりました。
しかし、ガスの配達をしない店があったり、配達員との接触などを警戒しなくてはなりません。そこでうちもカセットコンロのようなものを置いておこうか?と考えます。
最初はTHB500位でコンロを買ってガスのストックを置いておこうと思いましたが、ウチは炭や焚き火で調理することもあり、災害時でなければカセットコンロの出番はないとの結論に。。。
購入の動機
そして思いついたのがキャンプ用のガスストーブ!
これならタイでのトレッキングキャンプや日本にも持っていけます。
海外でトレッキングや登山をするようになってからは通常マルチフューエルであるMSR Whisperlite(ウィスパーライト)一択でした。
これは当然どこでも燃料が入手できる事、それとインドでは5,000m以上の土地でも仕様している為高度と低温にも強い事が理由。
しかし、ちょっと使いたいだけとか使うかわからないけど持っていくといった時にガソリンの携帯がネックになります。重いうえに専用のボトルが必要。。
日本にはスノーピークのガスバーナーがありますが、タイにガスストーブを持ってきてません。
そこでアウトドア用のガスストーブの検討を始めますが、ここから女房は完全に入ってこなくなります。。
『こいつは一体何を言っているのか? 非常用のガスコンロからインドだ5,000mだ日本だ高度だ低温だとわけがわからん!』といった顔をしてます。
条件1
まずタイで使いやすいということを念頭におき下記を条件にします。
-
何かあった時の為の補修パーツが手に入る
-
燃料が手に入る
-
あやしいブランドには手を出さない
-
店頭で購入可能
-
日本でも流通している
この辺を満たすとなるとこの3社で決まりでしょう。
①Primus/プリムス
大手スポーツショップではなくタイのアウトドア専門店にはまず置いてあります。
全ての条件を満たすブランド。
②Fire Maple/ファイヤーメイプル
タイでは10年以上の歴史はありますが、日本に居たときは見たことありません。
今は日本でも売っているのでしょうか?
当初、中国発で怪しいと思ってましたが、10年前に買ったクッカーが素晴らしい、かなり使い込んでますが今でも現役バリバリ!問題なく使えてます。価格も安く、タイでの品数も多い、
恐らくタイでのシェアはNo.1でしょう。
③MSR
ストーブとしてはタイでは前述の2社についでNo3かと。。。
オイルでべたべたですが補修キットも手に入ります。
ただ、日本ではMSRのガスストーブはどうなんでしょう?
以前は販売すらしていなかったように思いますが。。。
どれを使うにも燃料が必要なので 燃料が手に入る!の項目は必須です。
メーカーからは同社のガスボンベを推奨されそれ以外は自己責任になりますが、
実際どこのボンベも規格はほぼ一緒で、ほとんど韓国の工場のOEMでしょう。
なので合致すると考えてますのでこの項目は自己責任でメーカー推奨外のボンベを使います。
過去に使ってきたストーブ
①プリムス : PRIMUS 2243バーナー
小さい時などは自分で用意していないのでわかりませんが、初めて自分で購入したガスストーブは今でいうこんな形👇
ゴトクが折りたためないタイプでこんな形だったのでこれの古いタイプなのかな?
自動点火装置はついてなかったです。
20年以上前であまり覚えてないですが、当時登山用のガスバーナーはプリムスを使っている方が多かったように思います。
とにかく高出力だったのでこれを選びました。
②スノーピーク :ギガパワーストーブ "地"
プリムスは問題なく使えてましたが、1998年だと思いますが当時では聞きなれないスノーピークというブランドから小型のバーナーが発売。
正解最小のキャッチに惹かれ気にしていましたが、プリムスがあるので購入を控えてました。ところがしばらくしてバーナーとランタンの限定セットが発売。
自分は当時『セット』ものに弱く、たいして安くもないこのセットに手をだしてしまいました。
以降、20年以上経ちますがどちらも未だ現役です!
今はチタンや自動点火装置など種類が増えましたね。
主に日本国内の登山で使用
③MSRウィスパーライト
メインテナンスで何度も登場してますが、この商品も長い付き合いです。。。
一番手をかけてる愛すべきストーブです。
購入後は状況によってスノーピークと使い分けてます。
主に海外、冬季登山で使用
そこそこ長いアウトドア歴だと思いますが、ガスストーブ2台、ガソリンストーブ1台ですのでなかなか大事に道具を使えてますね。。。
購入候補のストーブ
ここ15年程はストーブの新規購入を考えたこともなかったので、アウトドアショップに行っても一切ストーブは見ません。よって現在どのようなものがいいのかさっぱり、、、。
一応少し勉強してから購入に望みます。
勉強してまず気になったのが、Jetboilタイプのストーブ+クッカーものが目についたこと。自分が日本を離れる頃に日本で出始めた記憶がありますが、当時はお湯沸かすだけの道具じゃないか!とほとんど興味を持ちませんでした。今では高額にも関わらずかなり人気があるようで、タイでも専門店に行けば置いてある店も出てきました。
こう目につくと気になってきてしまい、このJetboilタイプも候補に入ってきます。
ただこのJetboilタイプはストーブに対して専用クッカーを使うようで既存のクッカーが使いづらいです。
そうなると、ストーブ+クッカーとして考えなくてはなりませんので最初の条件1に追加条件がでます。
- 何かあった時の為の補修パーツが手に入る
- 燃料が手に入る
- あやしいブランドには手を出さない
- 店頭で購入可能
- 日本でも流通している
- ソロで使う事はほとんどないので2名以上で使えるクッカーがラインナップされている
- 非常時は自宅でも使うためお湯を沸かすだけではダメ🙅
この条件を大方満たし勉強の末、候補に挙がったのがコチラ👇
Ⓐ Primus PrimeTech Stove Set 1.3L
タイのアウトドアショップでの購入価格 ฿5,250
少しクッカーが大きすぎる感がありますが、ゴトクを建てれば他のクッカーを使えるので問題なし。
見た目も気に入り、いきなりこれに決めかけますがもう少し勉強してみます。
Ⓑ Primus Lite+
タイのアウトドアショップでの購入価格 ฿4,650
こちらもゴトクをつければ他のクッカーも使用可能
ただしセットのクッカーが500mlと小さめ。。
© MSR Reactor 1.0L StoveSystem
タイのアウトドアショップでの購入価格 ฿7,800
1.0L , 1.7L , 2.5L と3サイズのクッカー有り。
これも見た目が気に入りましたが、クッカーはこの3サイズのみ適応、WEBサイトをみるとなかなか強力なガスストーブのよう。。。
Ⓓ MSR WindBurner® Duo Stove System
タイのアウトドアショップでの購入価格 ฿6,500
バランスよし!
専用クッカーのみ使用可能だが、クッカーの種類はまあまあある。
候補のブランドからFire Mapleは残りませんでした。
価格の安さは魅力も見た目が気に入らないのと、パーツの強度に不安を感じたため外れます。。
候補に挙がった4機種にタイ購入価格を記載してますが、基本的にはどこで買っても同価格です。この手の道具は大手スポーツショップでは置いてなく、ほぼ個人経営のアウトドアショップになります。
この個人経営のオーナー達は皆さん仲良しで、イベントやキャンプを一緒に行っており商品の行き来もお互いにしてるのです。
例えばAのショップはMSRとSNOW PEAKの仕入れを行いB,C,Dのショップへ流します。BのショップはPRIMUSとJetboilを仕入れA,C,Dへ流すなど仲良く同価格で販売しています。しっかり現地のメーカーさんや代理店から仕入れているので怪しい商品でないところがいいですね。
そうするとタイのキャンパーにはかなり高価なものとして販売されますが、このオーナー達はタイの富裕層でありターゲットも金持ちしか相手にしてません。安くすると逆に価値を落としてしまうんですね。
多くのキャンパーはデカトロンやスーパーの安いテントや道具でキャンプを楽しみますが、この個人店で買うお客さんはちょっと違います。
とにかく、キャンプ場ではいいもの!珍しいもの!他の人が持ってない!道具を使うことが重要。キャンプを楽しむ一つに人に自分の道具を見せる!という項目があるんですね。
安い道具ではないので、候補の4機種をアメリカとイギリスの通販サイトで調べてみましたが、送料等入れるとタイで買うのが一番安そうです。基本的にはあまりオンラインショッピングはしたくないのでこれで心置きなく店で買えます。
最終選考
Ⓐ Primus PrimeTech Stove Set 1.3L ฿5,250
他コッヘルの使用〇、ポットサイズ1.3L×2
Ⓑ Primus Lite+ ฿4,650
他コッヘルの使用〇、ポットサイズ500ml
© MSR Reactor 1.0L StoveSystem ฿7,800
他コッヘルの使用×、ポットサイズ1L
Ⓓ MSR WindBurner® Duo Stove System ฿6,500
他コッヘルの使用×、ポットサイズ1.8L
最初に脱落したのがⒷPrimus Lite+
価格の安さは魅力も2人で使うには500mlのコッヘルは小さい、ゴトクで他のコッヘルを使えるが、そちらがメインになってしまうとそもそもこのタイプを購入する必要すらなくなる。。
そして©MSR Reactor 1.0L StoveSystem
今回、MSRにいくつか問い合わせをしました。
気になったところはReactorとWindBurnerの違い?
ぱっと見用途が似たように見え、どちらも雪上など低温時での使用にも適していそう。。
MSRの回答
Reactorはより高所、低温に特化したストーブとの事、メインの用途としては過酷な条件の中でより早くお湯を沸かす、雪を解かすことをイメージしているそうです。このシステムで調理をすることは考えられていないそうです。
WindBurner
Reactorより熱伝導率は下がるが一般のストーブと比べると十分な性能。
1Lの水を沸かすのに4.5分だそうです。この数字はなかなか重要視されているようですが、今後過酷な条件で使うことはまずないので気にしません。
よってReactorは特化しすぎている為外れます。ここまでの道具は必要ない。。。
最後に2択
Ⓐ Primus PrimeTech Stove Set 1.3L ฿5,250
Ⓓ MSR WindBurner® Duo Stove System ฿6,500
見た目はPrimeTechの方が好き。
ストーブの性能はどっこいどっこい。
多様性は WindBurner。
これは実物を触って決めることにします。
そしてお店へ。。。
バス、ソンテオを乗り継いでやってきました、バンコクのWang Thong langにある
【Thailand Outdoor】
この店には以前きたことがあり、いくつかある支店にも行ったことがあります。
MSRが確実においてあるのがここしか検討がつかないのでわざわざバンコクまで。。
残念ながらタイのアウトドアは車で行くBBQキャンプがほとんど。
ここの店員さんたちは前述のとおりそのようなハイクラスのお客を相手にしており、外国人とはいえ我々のような大口のならないお客はあまり相手にしてくれません。
また、どの支店の店員も商品についての知識が乏しく経験もかなり浅いのです。北欧のトレッキングなどやブランドのイベントなどに参加はしてますが、登山の知識や冬季を想定した話はできません。これは対象客やタイの土地柄から仕方ないですね。。。
自分が行くときは新しい商品の質問を多少する程度でそれ以外で聞くことはありません。なので基本的には自分で勉強していかなくてはいけませんね。
今回、知りたいことは事前にMSRに問い合わせてあるので、実際の商品を見比べるだけ。。
結果!手にしたのはコチラ👇
【MSR WindBurner® Duo Stove System】
PrimeTechと見比べてほぼ即決でした。。
PrimeTechは思っていた以上に大きく、ちょっと使いづらいなあと。。。
因みにボンベはよくわからん韓国製のもの。。
純正はタイには置いてありません!
説明書にはMSR純正を使いなさい!とは書かれてませんが、一応成分指定はあります。
オール韓国語でさっぱり確認できません。
ボンベくださいといったら定員はこれを出してきたんで問題ないでしょう。
開封!!!& 試運転
バーナー本体 , ポット 1.8L , カップ800ml , フタ
バーナー
スタンドは3点スライド式で、ガス噴出口もメインテナンスは簡単そう。
ポット
底はヒートエクスチェンジャーで目盛りは1.4L
早速点火してみましょう!
自動点火装置などはありませんので、ガスオープン→着火→ポット設置の順になります。
左の画像は夜、右は昼間
ガスを開け着火しますが、昼間だと火が入ったのかわかりずらいです。
せっかくなのでだしをとります。水の量は1.4L
1.4Lが沸騰するのに4分47秒。
目を離して他の事やってたので噴いてしまいましたので、実際は4分半くらいだと思います。
この湯切り口は便利。
このWINDBERNERですがMSRから専用ポット以外は不完全燃焼の原因となるため使用できないと回答されました。となると現在発売されているポットのオプションを使ってうまく付き合っていかなくてはなりません。
とりあえずお湯を沸かす、レトルトの湯煎、スープものの調理はこれ一つで大丈夫なので、屋内外での調理ようとしてSKILLETと2.5Lのポットは必要かなあ。。
そして登山用として1.0Lのポットも欲しいとこです。
実際手にしてみると1.8Lは大きすぎるんですよね。
どれも高額なので少し様子を見ながら考えますかね。。。。