P.S.Samphran

タイ在住。女房、猫との3人暮らし。。タイのこと、山のこと、映画のことなど。。。

日・ミャンマー共同作『The Daughter of Japan'1935』

ミャンマー映画の父Nyi Pu(ニー・プー)監督・主演作『The Daughter of Japan』を見てきました。

 

The Daughter of Japan(1935)

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Myammer / Japan 88min

Director

Nyi Pu

Cast

Nyi Pu as Maung Ba Htay
Mitsuko Takao as Aye Mi San

言語:ビルマ語・日本語

字幕:英語・タイ語

 

流石にミャンマーの映画は初めてだと思います。

memberになっているThai Film ArchiveからLineで案内があり見てきました。

www.pssamphran.com

 

映画について

映画の事は全くわからないので鑑賞前に少し勉強するべく1時間くらい前にセンターに行って予習しました。

本作で監督・主演をされているNyi Puはミャンマーで最初の映画(モノクロ・サイレント)に主演されており主に1920~1930年代に多くのミャンマー作品で監督又は主演をつとめたそうです。

 

この映画は日・ミャンマー合作とありますが、この映画が製作された1935年の時点でビルマ(ミャンマー)はイギリスの植民地であり1935にようやくインドと分離されたばかり。Nyi Pu率いる観光使節団は日本を紹介するのを目的としてこの映画を製作しました。日本でおさめた映像を持ち帰り同年10月にビルマで公開され映画はヒットしたそうです。

イギリス植民地下で日本を紹介する映画をビルマ人が制作なんてちょっと勘ぐっちゃいますね?

4年後の1939年に第二次世界大戦が始まるわけですが、他の目的なんかがあったのかも?あまり歴史の事はわかりませんので当時の日英の関係なんてどうだったんだろう?

 

高尾光子

日本側の制作会社はP.C.L.映画製作所(東宝の前身の1社)で松竹から移籍したばかりの高尾光子さんが重要な役で出演してます。撮影当時20歳、子役出身で7歳で日活のサイレント映画でデヴューしてます。

全く知りませんでした。子役ではかなり有名な方だったそうですが、女優業の引退は40歳と早い。。。

華のある美女といった感じではありませんが、ふくよかで落ち着いた感じの綺麗な女性です。

戦時中には自ら高尾光子一座を立ち上げて戦地へ慰問に行っていたようです。当時の一座には俳優の長門勇さんがおりましたが高尾さんとの折り合いが悪くあまりいい関係でなかったと高尾さんのお孫さん(山野海)が語ってますね。

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それでは肝心の作品は?

あらすじ

あるビルマ人飛行士の兄弟が、東京からラングーンまで前人未到!無給油のダイレクトフライトに挑戦する為に来日。その際に出会った日本人の女性Emiko(高尾光子)と飛行士の兄Ba Htay(Nyi Pu)が恋におちますが、最終的には本来の目的を果たすべくEmikoを置いてラングーンへのフライトを成功させます。Ba Htayは数年後に日本に再来日しますがその時にEmikoは病による亡くなったあとでした。。。

 

感想

現在の観点で言えばツッコミどころ満載!ストーリも突飛でビルマ人俳優の演技も素人臭い。

しかしこの映画87年も前の作品なんです。最終的にはよくぞここまでの作品をつくった!と感心しました。最初は制作年も考慮せず「何を臭い演技しとるんだ!」と退屈してウトウト。。。。

しかし、中盤からの臭いロマンスなどに引き付けられ見入っていきます。

特に、Ba Htayが国のプライドをかけた東京-ラングーンの挑戦Emikoとのロマンスに葛藤する場面、女にうつつを抜かして本来の目的をブン投げようとする兄と仲たがいするも最後までサポートする弟の場面は見ごたえあります。

最後は自分も女房も十分楽しむことができました。何故か東京-ラングーンのダイレクトフライト挑戦にリアリティを感じてしまい、「これ実は本当の話なんではないの?」と気になり調べてみました。⇒記録は見つからず。。。フィクションのようです。。。

 

今回本作を観たThai Film Archiveのシアターですが基本的には無料。以前も紹介しているように公的機関なので政府のサポートを受けて成り立ってます。

現在は大リノベーション中の為、周りのアクティビティやミュージアム、喫茶などは休業中。

 

現在オープンしているのは6階建てのシアター館のみ。

1Fにはグッズショップや喫茶もあります。

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チケットはQRコードで管理、自分の様にメンバーであればLINEから予約可能でメンバーでない方は電話予約もOK!

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劇場はその辺のシネコンと同じレベル、綺麗に管理されてますし客層を考えるとこっちのほうがいいかも?

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シアター館には古い映画のポスターをレプリカ看板も有り

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今回はAsian Classicとして古い韓国映画と2本立ての上映でした、ほとんどのプログラムがその日限りの上映なので都合がつかないとどうにもなりません。

プログラムは常にLINEで確認できるのでまたいい作品見つけ見に来なくてはいけませんね。

 

おまけ

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帰りに近くのカフェに寄りました。ただのアイスラテなんですが最近はこのようなカフェのコーヒー代が異常ですね! ここでもコーヒー1杯THB75とられました。

でも人気があるようでお客が入ってるんです、、、ようは自分が貧乏くさいってこと。。。

 

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