外国人として観光大国タイに住んでいると、いろいろな国の人と知り合います。
若いときは夜な夜なでかけたのでよく遊んだもんです。
またバンコクはアジア旅行のハブ、便利な環境なので西洋人の長期滞在者(旅行中の長期滞在)がとても多いんですね。
この方々は1年の内11月~1月までバンコクに居る!などパターン化していることが多く、レギュラーワークを持たない比較的年配の方で多数を占めます。若い人旅行者は比較的次へ!次へ!って方が多い印象。
自分にもこのタイプの友人が何人かおり皆10年以上の付き合い。
今回のコロナ禍で3年くらいは会えていないのですが、何人か古い友人が亡くなったと連絡がありました。自分も含めて高齢化してきているのでこんなニュースが増えるようになりさみしいもんです。
昨年末からタイの旅行業はいち早くオープンし、会っていなかった友人がちょぼちょぼ来るようになったのですが、今回はちょっと意外な友人の訪問でした。。。
仕事中に叔母から連絡が来ていたのでTV電話で返すと、画面に出たのは何となく見覚えのある西洋人。隣には旦那さんと小さな子供も見える。
奥さんは英語が分かるので英語で会話、三人を見てすぐに何を一緒にした家族かわかったんだけど名前がわからない。。と考えていると奥さんから『あなたとあなたの奥さん名前なんだっけ?』と。。。
向こうもこちらの名前は覚えてないけど叔母の家で食事した事や女房に絵をプレゼントされたことはよく覚えているそうです。
因みに女房は詳しく説明するまで思い出せず、叔母に至っては全く覚えてない。。。
この家族、以前(6年前)タイ旅行に来た時に夕食を一緒にしたのです。
出会いは知り合いの路上コーヒーショップで相席に。
『タイのローカルフードが食べたいけどどこにいけばいい?観光客が食べるローカルフードのようなものではなく本当のローカルフードがいい。』
言いたいことはなんとなくわかる。。。
それでもなんだかよくわからないので
「これから叔母の家で夕食なので一緒に食べる?何が出て来るかはわからんけど。。」
といった話で叔母の家に連れて行ったのです。
叔母は100%タイローカルなので叔母が食べる料理なら本当のローカルフードだろう!って解釈にしておきました。
もともと叔母、女房と三人で夕飯する予定だったので食事の準備は万端。
その時用意されていたのは小ぶりの魚一尾(プラー・ニン)、大量のタイハーブと蒸し野菜、ナムプリック、、、以上!
これを大人5名+幼児1名。。。
魚は一人二口くらい食べて、後はひたすら野菜類をナムプリックにつけつけして食べたのです。しかし旦那さんはハーブがうまいうまい!といって食べまくっていたのを思い出す。
これだけの事。。。
翌日も少し話はしたような記憶がありますが、名前も覚えてないし、国籍も。。。(フランスだったかな?)。
ただ二人の職業は何となく覚えてる、確かオーケストラの演奏者。
御主人はクラリネットだかフルートだかで奥さんはコントラバスとかだったと思う。。
オーケストラにも休暇があり数か月のオフをとりタイに来てたんですね。
女房は流石にこの辺りの話をするとうっすら思い出しましたが、叔母はやはりさっぱり。。
言葉の問題もあり基本的に会話してないから仕方ないけど、、、、それでも髪の毛を切ってあげたり食事中子供をあやしてたのは叔母だったんですよね。
このご家族、今回自分と話す前に2度叔母の店を訪ねてます。
叔母:店(サロン)の外から笑顔で手を振ってる外国人がいるなあ?髪切りたいのかな?と思っていたそう。。二日目も同じ事してるでやっぱり髪を切りたいのか?でも今は他のお客の対応中。この外国人も外から除くだけで中には入ってこないので二日目もスルー。。
そして三日目、また笑顔で手を振って店の中をキョロキョロしてるので流石に何か用事があるのではないか?と思いスマートフォンの翻訳機能でどうかしたのか?と聞いたところここにいた夫婦とあなたに会いに来たのだ!とわかる。
叔母もすかさず女房に連絡するも女房が全く思い出せず、実際にTV電話で会話をするも女房の英語は片言なので話が近づいて行きません。
ということで仕事中の自分のところに緊急連絡が来たって事になるのです。
しかしうれしいじゃないですか!
6年も経って名前も覚えてなく、一度夕食を食べただけ(しかもレストランなどではなく普通の家で葉っぱ食べさせられて。。)で我々に会えるまで三日も叔母の家に来てくれるなんて。
彼らは旅行中なので長くはバンコクに居ないでしょう。
すかさず女房とスケジュールを開けて食事に誘います。
そして週末。。。
やってきたのはこのレストラン
『Nopparat Cuisine and Gallery』
カオサンロードではないけど俗にいうカオサンエリアにある老舗タイレストラン。
10年くらい前に何度か行った事がありますが、改装をして見た目は見事に変わりました。
まず店に入って目につくのがこの壁画
プミポン前国王の肖像画が三世代にわたって描かれてます。
オーナーの息子さんが描いた作品。
そして反対側を見ると。。。
シートリザーブがされてます。
子供連れ、外も暑いので万が一満席でウロウロさせたくないので念のため予約しておきました。。。が、到着時12:30で店内にいたのは我々と昼飯を食べているオーナー家族のみ。。。
まあ、、カオサンエリアという立地からこのクラスのレストランはあまり入らないのかな。。
世界中から集まるバックパッカー、若いタイ人、年配の旅行者でも屋台で食べてタイ文化を感じたい方がほとんどなので普通のタイレストランはあまり行かないのかな?
といってもこのお店、高くはありません!
盛りは少ないですが一皿THB 150前後。
店内はこんな感じ
25~30名くらいは座れそう。。
さて、TV電話では話しはしたが久しぶりの再会です!
まずは怪しい記憶を確認。
御主人の名前はセザール
奥さんはエディス
7歳になった息子はソラール
ご夫婦は音楽家だったのは覚えてましたが、演奏する楽器は二人共オーボエだそうです。
現在、セザールはオーケストラでの演奏は引退しフランスの音大で教えているそうですが、話の感じから非常勤見たい。
エディスはまだ現役バリバリ!オーケストラ以外でもソロのステージに立ってます。
ソラールは音楽より絵を描いたり創作に興味があるとの事。
クラシックの事はよくわからないのであまり聞き出せませんでした。。
お互い聞きたいことが多いので食事を注文する前に30分くらい話してしまいます、そこでソラールの『チキンが食べたいけど、ここにはあるのかな?(フランス語)』でみんあ我に返る。。
まずはご機嫌を直していただくため" 鳥の手羽先 "
オーナーのお孫さんがおススメだってんで、、、
ข้าวตังหน้าตั้ง /カオタンナータン
ライスクラッカーですな、ソースはタマリンド、ピーナッツ、挽肉なんかが入ってます。ピリ辛甘酸っぱい味。タイの宮廷料理ですが、こういった雰囲気のレストランでも気軽に食べられます。
ライスクラッカーがソフトでとても美味しい!
ソムタム
青パパイヤサラダ。
なんとソラールのリクエスト!
一応唐辛子抜きにしてもらいました。
辛くないソムタムもなかなか美味しいです。
あとはカレーのオンパレード!
セザールはビーフが食べたい!
女房はビーフが食べれない!
エディスはグリーンカレーを食べたいけどビーフはやだ!
自分はマッサマン!
オーナー息子に聞いたら器は大きくない「これくらい(手で丸をつくる)」
それなら全部いっちゃおうか!
ゲーンキアオワーン・ヌア/牛のグリーンカレー
ゲーンキアオワーン・ガイ/鳥のグリーンカレー
ゲーンカリー・ガイ/チキンカレー
マッサマン・ガイ/鳥のマッサマンカレー
これにライスとロティを一人3枚づつくらい注文。
画像上は鳥のグリーンカレー、下はマッサマンとロティ
カレー類はどれも美味しい! 無難で美味しいのでだれでもいけそう。
しかし今回のベストはこのロティでしょう!
そのまま食べても美味しい、ソラールはがっつり気に入ってしまい。カレーつけずにバクバク食べてました。
結局三時間くらいいたわけですが、当然子供が一人で耐えられるわけありません。
適度に一人で店を出入りして遊んでます。
ここに来るまでにすでにインドを3か月旅行しているのでこういった過ごし方も覚えたんでしょうね。
そのせいかとてもクリエイティブな頭脳が養われこんなものまで自作してます。
三本のストローを折り曲げ、口に含む。ストローの先にはティッシュや楊枝の袋などを適当なサイズに丸め挿入。満を持したところで三本同時発射できる装置です。
セザールに「これは君が教えたのか?」と聞くと『いや、たった今自分で考えて作ったんだろう』
この想像力が素晴らしいじゃないですか!
そこにあるもので完了できるっては何をするにしてもいいですよね。
今回、アルコールは飲みませんでしたが、このお店ワイナリーのオーナーと知り合いでそのワイナリーからワインを入れてるそうです、、。
GranMonte - asoke valley
大きくはないですがタイでは有名なワイナリー。
我々も4年前に一泊二日で観光してます。
フランス人がわざわざタイでワインは飲まんよね。。。因みに彼らは現在ブルゴーニュに住んでます。
レストランを後にして帰ろうと思いましたが、今泊っているゲストハウスを見に来ないか?と誘われたので少しだけ寄る事にします。。
当初は6年前と同じゲストハウスに行きましたが満室で泊れず、、仕方なく旅行中に会った他の旅行者から紹介された宿に泊まっている。
レストランから歩いて30分。。。
細い路地を入ったかなり古い民家が彼らの宿。。
いま流行りの古い民家風でもなく古い民家を改装したでもなく古い民家を古いままお客に貸している宿でした。
入ってすぐ紹介されたタイ人オーナー。。。。
「ん!?」
どっかで見たことある。。。(相手もそんな感じ)
どこだっけ。。。
この話についてはあまりにも不思議な出来事なので別途書いてみたいと思います。
今回はフランスからの友人の話。。。
ここでもさらに1時間ほど彼らと話しましたが、ソラールはお昼寝の時間。
彼らは年末にフランスを出てインド旅行を三か月してからバンコクに入ったわけですが、次の目的地は未定。。
チェンマイが好きなのでまた行きたいけど野焼きによる汚染が気になる。。
タイの山岳地方では長年この時期の野焼きによる環境汚染が問題になってますが、人がそこへ行きたくない大きな理由になってきてるのでいい解決方法があるといいですね。。
以前、この問題を調査すべくタイ国立公園の職員をしている友人が野焼きエリアの調査等にはいったそうですが、土地の人には直接誰かに何もしていない!お前らに止める権利はない!というようなことをひたすら言われました。
土地の人も長年行ってきた生活の一つなのでなかなか難しい問題になってます。
自分も何度かこの時期の山岳地帯に入ったことはありますが、空気の悪さなどが臭い、目で明らかに感じられます。気温が低いくても明らかに空も霞んでます。
そんなことなのでバンコクから北へ行くか?南に行くか?が未定。
とりあえず次の週末は電車の好きなSolalの為、メークロン市場(傘を折りたたむ市場)へ行くそうです。
その後はラオス⇒ベトナム⇒日本⇒インドネシアと周って8月にはフランスに帰るとの事。日本は5月末くらいの予定なのでもしかしたら自分の帰国と被るかもしれないんですよね。。
そこからは彼らの国のお話、とにかく『フランスに来い!』と熱心に誘ってくれます。
今まで、ヨーロッパに行くなんてことを考えたことはなかったのですが、彼らの話・自宅近郊の写真なんか見せてもらったらなんかその気になって来てしまった。。
映画などでさんざん見てきた風景ですが地元の人の話を聞きながらだとリアリティが増す。
彼らの住むのは
フランスのブルゴーニュ
(イメージです)
当然聞いたことあります、ワインです。
彼らの家族もブドウ畑を持っており彼らの家からはワイナリーが見渡せる。
本当にこんな感じのとこに家がありました。
『部屋と食事とヤマハのバイクがある。自由に使っていい。』
「ワインは?」
『世界中に売るほどある、歩いていればいつでもすぐそこにあるよ』
彼らの写真を見て話を聞いたところで、
フライトチェック
時期にはよるが日本へのフライト+3万円くらい。直行便で11時間。。
飛行機代・・・これならありかも?
フライト時間・・・直行で11時間、乗り継ぎで6時間半×2回
乗り継ぎはありえない、、フランスの友人みんなこれで来てますが特別飛行機が苦手な自分としてはちょっと無理。6時間半のフライトの後に3日置いて新たに6時間半ならいけそうだけど。。。
彼らの家はパリからTGVで1時間半、そこまでくれば車で30分なので迎えに来るという。。。
因みに住んでいる町の名前は忘れました。とにかくたいそう綺麗なところです。
いっちゃうフランス!?
それ以外にもブルゴーニュの魅力を教えてくれます。
世界一のワイン!ロマネコンティの生産地が近くにある(セザールは未だに飲んだことないそうです)。
世界で最初に映画を作ったルイ・ル・プランスが失踪した土地であり博物館もある。
なんかいろいろあるようですが、こんなところに滞在するだけで満足できそう。女房は一週間は絵を描き続けて過ごせるでしょう。
こんな話はいくらしていてもつきません。
フランスの魅力をめいいっぱい感じさせてくれいつか行くかもしれないフランス旅行の初めの一歩になった日かもしれませんね。
今回、彼らとの時間はここまで。
最後にソラールからプレゼントをいただきます、今回の旅行で見た気に入った花を水彩で描いたそうです。
右画像のブルーとイエロー花2枚、さっそく自宅のコレクションに加えました。
最初ソラールのサインが入っていなかったので、将来どうなるかわからないのでサインを入れてもらいました。
日本で会えればいいですが、無理だとしてもまたどこかで会えるでしょう!
わざわざ訪ねてきてくれて本当に感謝です。
ア ビアント!