気になる映画-010
こんな作品があるとは知らなかった!
NFL(アメリカンフットボール)に興味のない方は人名、ヒストリー、専門用語などがわからず楽しみは1/4減くらいになるのでおススメしません。
この後の記事もわけわからんと思います。
恐らくアメリカ以外でも公開はされていないのでは?
本作は2000年代に活躍した一人のフットボールプレイヤーの伝記映画。一部では当時のオリジナル映像も使われてます。
QBとは?
2000年代にNFLを見ていた方ならだれでも知っているQB(クオーターバック)。
QBを知らない人の為に。。。
プレー面での役割を説明したらキリがないので簡単に。。
団体スポーツってのはどれもポジションがあってそれぞれに役割が異なります。
その中でもっとも重要と言われているポジションがエースなわけですが、野球であればピッチャー、バスケットボールであればスコアラー、サッカーは知らないのですが何かあるでしょう。。
QBはチームの中では最重要の位置づけで野球のピッチャー、バスケットのスコアラー以上にチームの勝利を左右するポジション。
個人的にはNFLチームを作るうえでステータス値を振り分けるなら
戦術(コーチ、コーディネーターを含め) 50%
残りの50%がプレイヤー
プレイヤーの中でQBが25%を占めると考えますが、ここはOLとセットで考えるべきでしょう。そうすると
QB+OL(5名) 30%
その他オフェンス選手 5%
ディフェンス 15%
スペシャルチーム 5%
といったとこでしょうか。
チームつくりや好みで分かれるとこですが、一般的にQBがチームの最重要プレーヤーである事は間違いありません。
前置きが長くなりましたが、今回の映画そんなNFLのQBとして活躍したカート・ワーナーのお話。。
ストーリー
大学時代のことはよくわかりませんが自分がいままで耳にしてきた彼のキャリヤとほぼ一致した内容の作品でした。
まずは大学時代のエピソードから始まります。。
UNI(ノーザンアイオワ大学)パンサーズでQBをしていたカートですが大学4年になってようやく先発QBの地位を手に入れます。
4年の時はカンファレンスのファーストチームに選ばれているのでそれなりの選手だったのでしょう。
時代はジョー・モンタナからブレット・ファーブの時代。カート・ワーナーはドラフトにかからず、ブレットのいるグリーンベイのキャンプには招待されますがロスターに入る事はできませんでした。
当時のQBコーチであるスティーブ・マリウッチ(後の49ersのヘッドコーチ)から『能力は認めるがNFLでプレーする準備ができていない』と言われます。
この後、カートはスーパーマーケットで時給5.50ドルで品出しの仕事を3年間しながらNFLのトライアウトを待ってました。
映画内でこの辺のながれは多少の脚色をつけながらほぼ自分の聞いたことのある内容でした。
そんな時、カート・ワーナーにアリーナフットボール(フィールドの広さはNFLの半分でプレーヤーも8名(NFLは11名)のチームから声がかかります。
NFLを目指していたカートは最初格下のアリーナフットボールでのプレーを拒否しますが、家族と相談した結果プレーすることにします。
元々コンパクトなフットボールに適正があったのか、2年続けてチームをアリーナボール(決勝戦)まで連れていきます。
そして、アリーナフットボールでの活躍がついにNFLチームの目にとまるときが来ました。。
1998年、セントルイス・ラムズと契約!
この年はNFLヨーロッパに派遣されラムズでの出番はほとんどなし。。
1999年、エースQBのトレント・グリーンがプレシーズンでシーズン全休の負傷。
第二QBとなっていたワーナーが開幕から先発QBとして登場。
*この時のグリーン負傷のニュースは覚えてます。。名セーフティのロドニー・ハリソン(当時サンディエゴ・チャージャーズ)のレイト気味タックルを受けたんですが、ラムズのコーチのディック・ヴァーミールがキレまくってました。
幸運?にも開幕先発となったワーナー、相手は強固なディフェンスを持つボルティモア。
1st Qにいきなりレイ・ルイスにインターセプトをくらいますがワーナーは3TDパスを投げ勝利に導きます。
*作中、相手LBレイ・ルイスがひたすらトラッシュトークを仕掛けてました。実際、彼は闘争心が激しくどこにでも顔を出す選手ですが、本当にプレー中あんなに喋ってたんですかね?
この映画ではここからは駆け足、ワーナーの活躍により最終的にラムズはスーパーボールを制し、ワーナーはシーズンとスーパーボールのダブルMVPを獲得します。
ここまでがこの映画のストーリー、NFLでの活躍は最後の20分くらいで描かれており、ほとんどはNFLへたどり着くまでの経緯と常に一緒にいた奥さんのブレンダ(大学時代に知り合いその後結婚)との家族愛でした。
本当はこの年のスーパーボール(vs テネシー)は歴史に残る大激戦でテネシーのラストプレイにドラマがあるのですがこの場面はフォーカスされてませんでした。。
ワーナーは計3回スーパーボールにでてるんですが(一勝二敗)、全てラストプレーで勝敗が決まってます。
カート・ワーナー / Kurt Warner
全NFL選手の中で最も好きな選手の一人。
NFLキャリアは12年(初期のグリーンベイ所属は除く)
2010年代にNFLを見始めたかたはあまり知らないかもしれませんが自分のNFLと彼の活躍した期間がドンピシャ!
彼のクオーターバッキングにハマり、毎週末の放送が楽しみでした。
当時はリーグパスのようなものは日本にはなかったと思うので、有料放送のGaoraでNFLを観てました。
1999年からのラムズはQBワーナー、RBマーシャル・フォーク、WRアイザック・ブルース/トリー・ホルト/AZザヒル・ハキーム/リッキー・プローウェル、KRトニー・ホーンの超攻撃的!且つ快速レシーバー陣によりリーグを圧巻!!
QBワーナーと映画の配給会社を掛けて”ワーナーワーナーブラザーズ”と呼ばれ彼らの繰り出すオフェンスは"The Greatest Show on Turf"と語られてます。
1999年からの3シーズン、オフェンスのメンバーが固定されたこともありますが、攻撃の天才マイク・マーツがコーディネイター/ヘッドコーチを務めていたことが大きいでしょう。
本当にTVで見ていて毎プレー興奮の嵐!
ペイトン・マニングやトム・ブレイディのような緻密で機械的なパスオフェンスではなく、プレースピード・パススピード・レシーバーの走力が合わさったオフェンス、とにかくレシーバーがカットインするところにバチン!ととんでもない速さのパスをヒットさせるところが凄い!パスとレシーバーの重なるタイミングはほんの一瞬なのでコンマ0.5sズレればターンオーバーになりかねないのです。
これは言葉では表せない。。。
"The Greatest Show on Turf"から約20年経ちますが、いまだに最高のパスオフェンスだったと思います。
NFLでは他のどのスポーツより連覇が難しい世界、MLBやNBAで連覇が難しいのはフリーエージェントによるものが大きいと思いますが、NFLの場合は戦術が重要視されるので相手チームの対応の早さによります。
特にパスオフェンスシステムは1シーズンを通して続くことさえ難しいのですがラムズは3シーズン通して続けてきたことですね。
これは本当にすごい!
そんなオフェンスをけん引したカート・ワーナーの受賞歴はコチラ👇
シーズンMVP 2回(1999 , 2001)
スーパーボールMVP 1回(1999)
スーパーボール出場 3回(1999 , 2001/RAMS , 2008/CARDINALS)
プロボウル 5回
オールプロ 2回(1999,2001/1st team)
そのパス成績でも素晴らしいスタッツを残したワーナーですが、2010年に引退しました。控えに降格することなく最後まで先発QBでしたね。。
流石に泣きました。。。引き際も良かったし、、なんといってもアリゾナでカムバックしてフランチャイズ発のスーパーボールまでたどりついたストーリーが凄い。
キャスト
メインはキャラクターはカート・ワーナーと奥さんのブレンダ。それ以外でも有名な俳優が出演してます。
Zachary Levi as Kurt Warner
この方は初めてみました。
とにかく、そっくり!! よくキャラを作り込んでますね~
髪型をワーナーカットにすると本当にワーナーみたい。
いまでは奥さんの影響もあって饒舌なワーナーですがブレイク前の芋っぽさを彼の演技から想像できます。きっとこんな感じだったんだろうな~と。。。
Anna Paquin as Brenda Mooni
ピアノレッスンの子役がお母さん役をやるようになったんですね。。
彼女の作品もピアノレッスンしか見たことないので初見みたいなもんです。
演技はともかく自分のもっていたブレンダのイメージには合わなかったですね。。。
Dennis Quaid as Dick Vermeil
やっとよく知ってる俳優が出てきた。。
ワーナーがNFL入りしてからの登場なので出演時間は長くありません。。
これもイメージが合わなかったな~
流石に彼くらいになると何本か作品を見たことあります。
エニイ・ギブン・サンデー(1999)もアメフト映画で、その時彼はQBの役でしたね。。
Chance Kelly as Mike Martz
初めて聞く俳優さん、彼もコーチ役なので出番は短い。
オフェンスコーディネーターのマイク・マーツを演じました、彼は実際のマーツのイメージに近かったですね。ちょっと偏屈な感じが、、、ただし見た目はDick Vermeilに似ていた。。
以上、本作の感想ですが、なかなかよくできた作品だと思います。
ただ日本にあまりなじみのないスポーツなのでどうしてもわかりづらい部分がありますね。2000年頃のNFLを知っているひとは楽しめます、そうでない方はそれなりに。。。