日本最後の旅行地は群馬のやや山奥にある温泉。
以前は周辺に幾つか宿がありましたが、現在では一軒宿のようになってます。
若い頃、お隣の嬬恋村に4年ほど住んでいたのでこの温泉地の存在は知っており近くを通ったことはありましたが、一度も来たことはありませんでした。
今回の日本滞在は台風騒ぎで予定がズタボロ。。。ほぼ仕事になったのですが、最後にワーケーションと考えて仕事道具を持って一泊温泉滞在。
事前準備としては宿のHPへ直接予約。
立地はわかっているんですが、駅から宿までの足(宿の送迎はなし)が不明。
当日、出発時に宿へ電話して聞いておきます。
あとで思えばかなりあいまいな話でしたが、ここはしょせん日本!行けないことはないだろう!とあまり考えませんでした。
アクセス
出発は上野駅
我々東北人にとっては日本一哀愁を感じる駅。
自分の一世代前ですが、東北人の出稼ぎの発着時はここでした。
幼少期のうっすらした記憶ですが、年末年始の帰郷時なんて人はごった返し。
当然新幹線などはなく、安く帰れる夜行列車(寝台ではないので座席車両のみ)には座れないお客でパンパン、しかも故郷へのお土産で荷物もいっぱいです。
我が家が乗っていたのは『急行 津軽』。
主要駅での郡山駅や福島駅では停車時間が長いのです。恐らく今と違って大荷物を持って乗降者する方が多いので時間がかかるのでしょう。その際、近くに座った全く知らない同郷の親父さんが自分のような子供にお菓子を買ってきて配ってくれます、こんなのは毎年の事でいい思い出です。。
そんな上野駅、、、当然そんな旅情は今はありません。。。
それでも上野駅!という単語に懐かしさは残ります。
はやく着いたのでまずは朝飯。。。
駅内にあまりないんですよね、、コーヒーも飲みたいのでカフェに入ります。
ハードロックカフェ、、初めて入りました。。
開店直後で一番客でした。
それらしい店内です、あとから入ってきた香港の観光客は店内の装飾をバックに沢山写真撮影をして楽しんでました。
自分の近くで写真を撮るたびに気を使って頭を下げたり、断りを入れてくれるので逆に気を使わせてしまいました。
なんとかホットドックセット
美味しいですが、なかなかの値段です。
汽車の出発時間までゆっくり時間をつぶせましたので助かりました。
ではホームへ。。。
特急『草津・四万1号』
なんかスッキリしない名前ですな。。
上野駅発10:00-中之条着11:57
所要約2時間、すぐにバスの接続があるので早めの昼食を駅弁で済ませます。
選んだのは『銀だら幕の内』
どうも日本での駅弁はこの銀だら幕の内を選ぶ頻度が高い。。
駅弁食べてウトウトしていたらあっという間に中之条に到着。
宿のご主人曰く『駅前から出ているバスに乗り、運転手に宿名を言えば連れて行ってくれるからOKね!』との事。
しかし駅前には電車に合わせてかいくつかのバスが泊まってます。
どこ行のバスに乗るのか聞いてなかった。。。
でも問題なし、駅前には案内の方がおり宿名を伝えればあの空色のバスに乗って!と教えてくれます。
指示通り運転手さんにはどこどこ温泉のなになに旅館までお願いします!と伝えると。。。
これそこまでいかないんですよね。。終点まで行って乗り換えてください!多分その旅館まで行くバスが終点で待ってますから。。
多分・・・
ご主人の話にはなかったストーリーですが到着はできそうなのでいいでしょう。。。
先ずはバスの終点『坂上/さかうえ』まで行きます。。
坂上に着くとこんな乗り合いバンが三台とまってます。
バスの到着に合わせてこの先三か所に分かれます。
温泉名を伝えてこのバンに乗ってくださいと『清水』と書かれたバスに乗車、お客は自分ひとり。
よくわからないので全て言われるがままについていきます。
お任せしたおかげで着きました!今回の宿。
鳩ノ湯温泉 三鳩楼/サンキュウロウ
いい雰囲気ですね。
帳場
画像では見えませんが、帳場の中はいい感じの小部屋になってます。
ロビー周りもほぼ木製、山の温泉宿って雰囲気ありますね。
交通の便の都合上、午後1時につきましたがすぐに部屋に入れてもらいました。
平日に満室になるような温泉ではないでしょうから部屋は空いています。
客室
必要なものはそろってます。
扇風機は2機
はて!?エアコンはあったろうか?
使わなかったのでエアコンがあったかどうかわかりませんが、自分の場合夏場も窓開けて扇風機で十分でしょう。
体重を乗せるにはちょっと心配な縁側
小諸の中棚荘もそうですがこのタイプ好きなんですよね。
本当はここに腰かけてビール飲みたい!
部屋でチョイのんびりした後は温泉へ!
お風呂は展望風呂と内湯の二箇所
入口が別なので注意。
展望風呂
檜の展望風呂、周りの木々の展望がいい。
ただ源泉をそのまま使っているそうでかなりぬるいです。体は温まりませんので必要に応じて内湯に入りなおした方がいい。さすがに冬は寒すぎて閉鎖されます。
内湯
温度が下がらないように檜の蓋がされてます。
このお風呂最高!
身体も温まるし檜の香りがいい。
滞在中何度も入りに来ました。
館内の気になるところ
古い建物と増築部があります。
ここはお風呂にアクセスする廊下
トイレのロックが渋い
一番右のアサヒの生ビール風の缶ビールがおいしい
新500円、新1,000が使えないとは?よくわからなかったので小銭を使いました。
各廊下の窓からは綺麗な木々が見えます。
四季に応じた葉が楽しいでしょうね。
共用の流し(今回泊まった部屋はトイレ・流しは共同)
水道から出る水はそのまま飲めます。
落ち着いたところで少し仕事を始めます。。。
と、、思ったら。。。
WIFIが見つからない。。。帳場で聞いたらWIFIないんだって。。
どうやってもワーケーションになりませんので、PCは見えないところにしまってオンセンバケーションをエンジョイすることにします!
いろいろ仕事はあるのですがすべて放ります。
なにか問題があれば後で謝ります。
周辺散策
それではすべてを忘れて何もなさそうな宿周辺を散歩に出かけましょう!
このあたりは里山、田園風景、渓流と特別な名称がなくとも魅力的なロケーションなのです。
宿周り
宿のすぐ横にはこのような渓流があります。
宿から渓流に下りるにはこのような坂を下ってきます。
これは冬は滑りますね。。
この坂が絵になりますよね~
以前は何かの商売をやっていたような家屋もあり
宿に沿って川沿いを歩いているとこの古い建物。。これ実はお風呂なんです。
女湯はどうなっているかわかりませんが、男湯は胸から上は外から見えます。
渓流
宿の下を流れる "温川"
入漁券の看板があったので渓流釣りができるみたいです。
田園
まさに田舎の田園風景ですね。。
丸山城跡
さてその辺の案内板をみると何とかの城跡がすぐ近くにあるそうな!
ちょっと行ってみますか。
まずは宿から国道にでます。
薬師温泉は閉館したみたい、、滝は歩いて行ける距離ではなさそう。
浅間隠山にこちらからアクセスできるみたい。。
嬬恋から二度上峠経由ではよく登りましたが(こっちのルートは楽ちん)こっちからも登れるんですね。
古い蔵
清水集落はほんの数件があるだけでそのすべてに人は住んでなさそうです。
酒屋などの看板はありますがどこもいまはやってませんでした。
国道を通過してこのような里山に侵入!
夜なら一人では絶対入りません。
抜けると民家を発見!
こちらにいらっしゃったご主人に"城跡"の事を伺うと
『この先だけどなんもないよ(笑)』
他に急いでやることもないので行ってみましょう。
なんだか作業場跡みたいな広場にでます。。
城壁臭いところを登ると。。。
お地蔵さん!?
その向こうには里山風景。。
ここなの?城跡・・・案内板も何もないのでわからん。。。
イマイチ城跡感はありませんが、これ以上期待できそうなものもないので引き上げます。。
帰りにこんな可愛い猫ちゃんにも会えたので良しとしましょう。。
百日紅かな?
宿への帰りで見かけた元養鱒場
小さな遺跡みたいですね。
宿に戻ったらもうひとっ風呂して夕食に備えます。
夕食
山の幸にエビ・ホタテ
特別な物はありませんがいいですね。ごはんを沢山食べれる献立です。
牧野酒造『大益』
お隣、倉渕の酒造(知らないうちに倉渕村⇒合併後 "高崎市倉渕町"になってた)
メニュなどでてきませんのでこちらから聞きましょう!
お客が少なかったからか料理を運んでくれた恐らく若女将が沢山話をしてくれました。
なんでもこちらの息子さんの奥さんが日系航空会社のバンコク便でエアホステスをしており同僚のタイ人エアホステスさんを連れて今年泊りに来たそうな。
タイはいろんなところでつながるんですね。。。
腹いっぱいに食べさせてもらったところで、この後はまた風呂に入ってさっさと就寝。。。
朝食
運ばれてきた料理を見て。。。
納豆で茶碗一杯、海苔でもう一杯、魚とその他でさらにもう一杯ご飯が食べれるな。。。。
やっぱり日本の米は世界一でしょう!
ご飯をそのまま食べてこれだけ美味しい米は自分が行った国では経験ありません!
おひつにたっぷり入れていただいたご飯は完食させてもらいました。
朝食後はお風呂に入りチェックアウト。。
バスと電車の時間を合わせるとどうしても10時前に出なくてはなりません。。
行きと同じルートで戻ります。
道中、このあたりの名所である岩櫃山の眺めがいい
この時間特急はないので普通列車に乗るべく群馬原町で降ります。
嬬恋在住時代、この原町には本当によく来ました。
嬬恋高原に住んでいるとなかなか物資がないのです。
食料は嬬恋村の中心(万座鹿沢口周辺)に行けば手に入りますが、本屋(当時携帯電話なんてものもインターネットもありません)や電化製品などを見るには原町まで来なければなりませんでした。懐かしい、、、。
原町も散策したかったのですが電車の接続がよく時間がありません。。
すかさず高崎行の普通列車にのり東京方面へ向かうのでした。。。
感想。。。
久しぶりの群馬県長野原エリア
数年済んだ場所なので自分には特別なところです。
岩櫃山の麓郷原などにもよく来ましたし、倉渕村には別の競技ではありますがスキー仲間もいました。
日本にいた時はいつかはもう一度ここに住みたいと思ったほど好きな土地です。
それがまさかタイランドになるとは。。。
日本を出て20年くらいになりますが、その間このあたりに旅行に来たことはありません。。久しぶりに来てやっぱりいいところだと実感しました、機会があれば今度は女房と一緒に再訪したいと思いました。
とにかく宿はリーズナブルで素晴らしい!
食事にこだわる方はちょっと難しいかもしれませんが、雰囲気・ご主人の適度な対応・女将と若女将?と話が面白い!などなど魅力満載でのんびり宿滞在をするには素晴らしい宿です。