みなさんこんにちは。
三船敏郎、石原裕次郎共演の『黒部の太陽』を見ました。
今までにも飛ばし飛ばし見たことはありますが、今回初めて約3時間通して鑑賞。
『黒部の太陽(1968)』
黒四ダム建設工程でのトンネル工事(主に熊谷組担当工区)、ともに独立しプロダクションを設立した大物俳優二人の共演とロマンのある映画です。
この黒四ダムは現在立山アルペンルートで立ち寄る観光地の一つになってます。
また作中のトンネル工区は「関電トンネル破砕帯見学ツアー」として立ち入り可能。
映画を観てこのツアー何かに参加するとよりテンションが上がりますよね。
魅力的な役者さん達
関電トンネル建設という実話に加えて、裕次郎のロマンスが入ってくるので3時間を超える上映時間も飽きさせません。
久しぶりに石原裕次郎の映画を観ましたが本当に華のある役者さんです!小さいころに親の影響で裕次郎映画を何本も見てますがその時は良さがわかりませんでした。自分が見ていた裕次郎はすでにキャリアでは晩年になっており映画界からドラマに舞台を移してました。なのでイメージは太陽に吠えろのボスですね。
今回、年月を置いて見たせいか裕次郎のカッコよさが際立ちます。自分も日本で土木業についていたことがあり最終的に施工管理の資格までとりました。結論から言いますが、こんなカッコいい土方はいません!!
さほど背が高いわけではないですがスラっとしてガタイがいい!いくらメットを被って顔を汚していてもスターのオーラが出まくってます。しかも礼儀正しく、男気有り!
そして
世界の三船敏郎
やはり時代劇に名作が多いですが、本作もきっちり配役に合った演技でした。
最初は三船の演技はイマイチなのでは?と感じましたが、よくよく考えたら本作での立場はいわゆる元請け(関電)の施工管理者。日本刀抜いて振り回すわけがありません! 確かに自分が見てきたゼネコンや役場の土木課の方々に被ります。時代の違いがあるのでより厳格なイメージになってますね。
そう考えると見事な演技と言えるでしょう。
久しぶりに用心棒見たくなったなあ、、、。
キャリア晩年に近い志村喬も短い時間ながら出演、やはり三船が出るならこの人が得ないといけませんね。やはり時代劇のイメージが強くこの人は阪妻とも共演してるんですよね。
後の石原プロの人気俳優となる若き日の寺尾聰もちょっと他の土方とは雰囲気の変わった新米の土方で出演。
個人的に一番印象に残ったのはやはり裕次郎の父役を演じた辰巳柳太郎。
孫請けの土木会社の社長で強烈な個性で狂ったような演技をしてました。
この時代の土方の社長は本当に命かけて工事していたんでしょうね。自分が土方やっていた時は一つ下の年代になってますのでこの辺の威力は3割減くらいでしたね。。それでももめ事はよくありました。自分も若かったので一度頭にきて夜中に土方の社長宅に一人で乗り込んで行ったことがあります。その時に社長の奥さんに窘められあっさり敗退しました。やはりどの時代にも女性にはかないません。あの奥さんがいてこその社長なんですね。
残念な事に裕次郎、辰巳柳太郎親子には母/女房がいません。親父がいくら狂ったところで落ち着く間がないんですね。元々舞台役者のせいか入り込み方が凄い役者さんです。
因みに1970年には実写映画『あしたのジョー』で丹下段平を演じたのはこの人。
そう!髭がないのです。。
そして女性陣ですが土木映画なので出番は少ない。
気になるところはやはり三船敏郎演じる北川次長の三姉妹。
皆さん美人なのですが、長女の由紀を演じた樫山文枝さん。透明感のある美人で劇中では裕次郎演じる剛と結婚します。
山で裕次郎と語るシーンは美しく来ている服装の当時の山小屋で着る服装を連想させます。
この樫山文枝さんですが現在80歳になりますが未だ現役で2021年にもドラマ出演されてます。
黒部歴
この黒部ダム、小さいころに行ったことがあるそうですがあまり記憶がありません。
以来現在まで黒部ダムには行ってません。
ニアミスですが、種池から新越乗越を通り針ノ木峠に行く途中、稜線から黒部が見えます。また、白馬岳から清水尾根を下って祖母谷温泉へ下り翌日欅平に出ますが、この辺りは映画の中でいうトンネル工事のとっかかりの地になります。
あと何回日本に行けるかわかりませんので今後黒部ダムを見ることはないかもしれませんね。。。
この『黒部の太陽』は黒部ダム建設の一部を背景とした土木工事員のロマンを映し出す名作です。
巨大なダム建設は強烈な環境破壊ではありますが、当時を生きていない自分には判断できるものではありません。黒部ダム建設によって数年にわたる土木業の確保、関西方面での電力の配給が実現しています。
自分は黒部に行かず(行ったけど覚えてない)に見てしまった作品ですが、実際の黒部を知ってから再度見てみたいですね。