公園管理のおばちゃんの送迎はHQから一時間かけてのドライブ
国立公園内の中を走っているのですが、道中にローカルのリゾート、食堂、学校等があり普通の村と化してます。
これはタイの国立公園ではココだけとの事、国立公園内は原則国立公園の施設のみで公園ゲートから先は民間は入りません。
次回はこの辺の小さいリゾート辺りに泊まって村歩きなんかもしてみたい。
途中象がしょっちゅう出没するという通りも抜けて到着したのは
【Ban Krang Camp Site】
森の中の広々としたキャンプ地。
到着は10時前だったのでテントは連泊の方のみ。
皆さんなかなか気合の入った装備をしており、聞くとほとんどの方がバードウォッチャーでした。
ビジターセンター
ここにレンジャーが常駐してます。真ん中の空間は野鳥や動物の紹介がされておりその奥は食堂になってます。
我が家はHQで全て済ましているのでここですることはありません。
ここでもルールは守りましょう!
荷物はリヤカーでサイトに引いて行きます。
この時間から暑くなるのでさっさとテントを建てて出かけることに。。
今回初めてタープポールを使ってタープを建てました。初めてやるのでどっぷりと傾いており見栄えも悪い。。。
それでは荷物を置いて出かけます。
このBan Krangにはいくつかのルートがあります。
この地図は異常に解りずらく2日滞在した後もいまいち理解できません。
みても解らないので公園内を清掃している女性陣にいろいろと聞きます。
流石に皆さん詳しいです。ただの清掃員ではありません。
彼女たちが言うにはこのボードでいうテントマークより左に行くと、なかなか手ごわいアニマルが出やすい。できればレンジャーにガイドしてもらった方がいい。
右側は長いルートもないので自力でOK。
ただしここに常駐のレンジャーは二人しかいないのです。繁忙期になるとバンコクから応援が来て賑わうそうですがこの日はコロナで平日、、、、、。
しかし「もし、案内が必要なら私たちの旦那を出すから言ってね!」というので問題なさそうです。
自分としてはいきなりアニマルコーナーに行きたいのですが女房が不安がってる(動物・蛇苦手)のでひとまず右側のショートコースを二人だけで行くことにします。
この案内板でひとつ気になるところが。。。
ん? ジャパニーズ プリンス?誰?俺?
何だろうこれは?
レンジャーさんに聞いてみたところ、よく覚えてなかったのですが10年ちょっと前に日本のプリンスが来て視察をしたとの事。
タイで日本のプリンスと言えばピンとくるのは○○様のみ!
名前を出してみると「あ~そうそう!」と思い出した様子。
200mのルートですが当時はテントマークの左側アニマルコーナーを歩いたんですね。
この話で思い出しました。
10数年前に来られたとなると自分がバンコクで働いていた時、仕事の関連で拝謁させていただいた時と重なります。○○様は現王朝との関わりが長く何度も訪タイされてるんですね。
あの時、ケーン・クラチャンにも来られてたんですね~。
現在Japanese Princeコースは人が入らず荒れている為案内していませんので、我々は400m+車道歩きのコースを歩きに行きます。
キャンプ場から沢を渡り
整備された道を登ると
【Vanila Nature Trail】
ここからスタート
トレッキングルート
整備されているうえに人も頻繁に入っているのでしょう。
自分達が歩いている前方もバードウォッチングのガイドツアーが行われてました。
Sapria himalayana
世界最大の花、ラフレシアの仲間でこちらも寄生植物です。花が開くまでもう少しかかりそう。
双眼鏡やバズーカ望遠カメラのような装備のない我々では何も発見できず。。
あらゆる鳥のさえずりは聞こえてきますが。。。
それでもこのルートにもちょこちょこ蝶や花が楽しませてくれます。
このルートは沢沿いのルートを歩き車道を通ってキャンプ地に戻りますが、ゆっくり歩いて1時間もあれば十分です。
このVanila Nature Trailは車道を挟んでSouthとNorthがあります。我々が歩いたのはSouthですがNorthは全長2.5kmと少し長い。ですがトレッキングエリア内は象や大型のヘビ、オオトカゲが登場します。前日にはトラも見つかってます。とても素人が準備もなく入って行ける所ではないでしょう。。
インド在住時にトラやヒョウが見たくてCorbettやRanthambore National Parkを歩きましたが、今ではそんなことはできません。
帰りにNature Trail入口の小沢にもう一度行ってみますと。。
Kaeng Krachanといえばやはりこれですね!
地面に含まれている塩分を摂っているのだそうです。
数種類の蝶が一斉に集まっており近づいても逃げて行きません。
蝶の説明版もあり。
キャンプ場に戻ってきました。
まだ暑くテントで調理をする気はしないのでキャンティーンで食事します。
このキャンティーンですが10席くらいしかないのですが、例のバードウォッチングツアーが占領(ミニビュッフェを形成)、それでも注文はできるので我々は外で食べます。
こんな場所なので食事は普通、、、それでもこのパイナップルは絶品!
当然、土地の果物です。
午後はといいますと、
女房はテントで絵を描きたいとの事。。
そうなると自分はアニマルコーナーへ入りたい。。。
サイトの端から突入するコースは2kmくらいで一人でも問題なさそう。
しかし日本の登山と違い見たことないような動物や虫が登場する可能性があります。
ひとりで行った場合、不安や危険もありますがせっかくみた虫や動物が何なのかわからないのが一番さみしい。。。
この際なのでレンジャーにお願いします。
現在ビジターセンターにレンジャーは一人しかいないので都合を聞くと「すぐOK!」
でしたので女房を残してレンジャーのMr. Boiとトレッキングに出かけます。
もちろんタダではなくコースや時間によって料金が異なります。
歩くのはココ
【Pranburi stream Nature Trail】
このトレイルも沢に沿って歩きます。
この川(Pranburi)ですが、Kaeng Krachanから流れ出て最終的にプラチュアップキリカンのPranburiに流れ込みます。全長は130kmなのでそこまで長くないですね。
因みにタイ国内だけで見た場合最長の川はイサーンのChi River(1,047km)、もちろんメコン川の方が長いですがあちらは国を跨いでます。
こちらがガイドのMr.Boi
なかなかのビッグマン! 2時間程度のトレッキングとはいえ手ぶらです。
事前の決め事は「止まれ!」と「走れ!と言ったら迷わず走る」でした。
Boiさんですが、Kaeng Krachanでの勤務は20年のベテラン!今までいろんなものを見てきました。因みに前日トラを発見したのも彼。携帯で撮った写真を見せてもらいましたが、けっこう近くで撮ってるんですよね。
その他、象は頻繁に見るそうです。確かに道路に💩がちょいちょい落ちてます。
この森は以前激しく伐採されており、現在使われている園内の道路は当時の丸太輸送路(象による)を整備したものだそうです。伐採が行われていたのが50年以上前だそうで最初の伐採期が終わった1964年に森林保護区に指定してしまいました。
素早く対処した事と当時のタイにレジャー施設の建設などがなかったおかげなんでしょうね、これだけの森が残ってます。
1960年代の日本であれば開発能力も高かったでしょうから、ゴルフ場やリゾート建設で跡形もなかったかもしれません。
素人考えではありますが、この午後一の時間に動物なんか見られるんだろうか?
野鳥もそうですがやはり朝夕がいいような気がします。。。
ルートに入ってすぐ、まずPranburi川を渡るとこんな光景が、
これは象の仕業だそうです。
昨日はなかったので昨晩から朝にかけて通ったんですね。
Buttress root/板根
マレーシアやインドネシアにいけばもっと巨大なものがみられますが、それでも結構な大きさです。
ツルのような枝のような。。。
Boi曰くこの中には水分が多く含まれており、水が無くてどうしようもないときはこの枝から水分を摂るそうです。
いまのところなにもなし。。。
確かにいきなりトラやヒョウがでてきたらこちらは丸腰なので困りますが、その反面一度は野生のトラなんか見てみたいとも思います。。
写真にはとりませんが、野鳥や蝶はすさまじく飛んでます。
蝶などは群れを成しておりそれだけでもここに入ってきた価値はありますが。。。
何の花かわかりません。。。
花ちょこちょこ咲いてますが、シーズンではないので数は少ない。。。
そして1時間くらい歩いたところで、、、
Boi「ちょっと待って!ค่าง(カーン)/キツネザルがいるよ!」
『おっ!』
先方もこちらを見つけました。
しかしなんちゅうビックリしたような顔をしてるんだろう。。
【ค่างแว่นถิ่นใต้/Dusky leaf monkey/ダスキールトン】
ミャンマー・タイ南部とマレーシアの森林にいらっしゃるそうです。
栄養のなさそうな葉を主食としており昼間に活動し木から降りることはほとんどない!
生後半年は身体がオレンジで頭部はピンクがかってますがこの時に赤ちゃんは見かけませんでした。
ヒジョウに愛くるしい表情をしながらひたすら葉っぱを食べます。
Boi曰くここではそう珍しい動物ではない!
森に入ればたいてい見れるそうです。
そして折り返して次に見かけたのは
【นกพญาปากกว้างลายเหลือง/Banded broadbill】
日本ではアズキヒロハシというらしいです。
いろいろたどっていくとスズメの仲間になります。
タイ語の名前だと "黄色い縞模様で口の広い鳥" みたいな意。
Mr.Boiはこれは珍しい!なかなか見れない!とスマホで画像をパシャパシャとってました。
最後はBoiと身の上話しながらのんびりキャンプ場に戻り2時間のトレッキングは終了です。
無事に戻ったから言えるのかもしれませんが、ルートはほぼ沢沿いなので迷うことはない!ガイドなしでも行けるんじゃないか!と思います。が、トラやヒョウ、ニシキヘビなどが出なかったから言えるのかもしれませんね。
そして女房は。。。
描いてます。。。
ごめんね地べたにシートで。。
いつか軽い椅子とテーブルを持ってこれるようになろう!
自分は寒くなる前にシャワーを浴びて夕飯の支度をします。
因みに今回のテント【NORDISK Asgard Tech Mini】ですが、前回は女房とPi Eahが使ったのでこのテントで寝るのは初めてです。前日は気が付きませんでしたが、このテントベンチレーションがついてるんですね!
夜になるまでは風も通らないし暑くてたまらん!と思ってたら3か所だけですがメッシュになります。これっぽっちではありますがここを開くだけでだいぶ違います。
テントで準備をしていると正面の木でバタバタしている鳥がいます。
何度も見ているので鳴き声とサイズですぐわかりました。
サイチョウです。。
【นกแก๊ก/Oriental pied hornbill】
なにかうまくいかないことがあるようでギャアギャアと騒がしい。。
バタバタと忙しい。。
最後はなんと!
落ちました。。
初めて見ましたよ。。サイチョウが木から落ちるとこ、降りたんじゃなくて落ちたんです。
落ちたショックからか数分のたうち回ってましたが、落ち着き頭上の木に戻ります。
いつも見せてくれますね!
涼しくなってきたので。。。。
食事の準備をしましょうか。
今回持ってきている道具はこれだけなのでこれで
こうして
昨晩のマカロニに使った食材を使って
ソーセージカレーにします。
これはスパイスケース
御飯は。。。
チョイ固めですが問題なし。。
ルーを使ったカレーライスですから失敗はしませんな。。。
普通です。
特にやる事もなく8時頃には二人とも眠くなってしまったのでさっさと就寝。。
山の朝は実にいい!
とにかくエアーがいいですねエアーが!
11時におばちゃんが迎えに来てくれるので朝食を食べて2時間位は散歩する時間があります。
朝はコーヒーにトースト。
出発前に腹が減ったら売店で果物でも食べることにします。
マレー熊の糞
朝起きたらテントのすぐそばにありました。
バードウォッチャーに聞いたら前日の昼間にキャンプ場にもマレー熊が出てきたそうです。
食後は散歩。
先ずは前日蝶が集まっていた沢へ。
蝶はまだ集まってませんが、いい眺めです。
朝は鳥の動きも活発
そして女房を連れて
昨日歩いたPuranburiコースを少しだけ入ります。
野鳥の声が激しく聞こえますが、影しか確認できず。。
それでも明るいところにでて待っていればそこそこ見れますよ。
นกเขนน้อยไซบีเรีย/Siberian blue robinの成長前だと思うんですがどうでしょうね?
【นกปรอดทองBlack headed Bulbul】
日本名はたぶんズグロヒヨドリ
自分のカメラと腕ではこれが限界。。。
気のせいかリスも山色になってます。
でた!
あいかわらずバタバタやってます。
コチラに飛んできます。
サイチョウの中では小ぶりな種ですが翼を広げると迫力あります。
今日は朝から登場!
女房に見せることができてよかった。。。
朝1時間歩いただけでこれだけの野鳥が見れますのでプロと一緒に2日間くらいこもれば珍しい鳥が沢山見られそうです。
それでは今回我々はタイムアップです。テントを撤収しておばさんの迎えを待ちます。
テントのすぐ横に落ちていたサイチョウの羽。。
おばちゃんに迎えに来てもらい、その後公園のHQからナコンパトムまでロットゥーで直行!車内も50%しか載せてないので楽ちんでした。
HQにて
【นกตะขาบทุ่ง/Indian roller】
この鳥はおなじみ。。。10年くらい前まではひっきりなしに追いかけてましたが、うちから徒歩2分の森で見られることがわかりすっかり慣れてしまいました。相変わらずふてくされた顔してますね。
最後に今回のキャンプ&トレッキングで
キャンプ---Nordiskはここらが限界!3月以降は風通しのいいKaranaのテントになりそう。
タープのポールは背負っていくのは流石にきついですね、2本で1.5kgあるので次回は1本+トレッキングポールにしましょう!
ストーブは今回ミニBBQグリルでいきましたが、もう少し軽いウッドストーブでよかったかな。。このところ全く使ってないので次回はウッドストーブにしましょう。
トレッキング---結果的にガイドBoiと一緒に歩いて正解でした。
もちろん危険対処でたよりになりますが、音やルート上に何が通ったなどに敏感でとても勉強になります。野鳥などは写真を撮って後で聴けば何の鳥なのかわかりますが、現地でしかわからない事ってありますよね。
日本ではおよそ逆の立場でしたが、これからはガイドさんと一緒に歩く事も楽しみにできそうです。